登校拒否


 朝、母親がいつまで経っても起きる気配のない洋一の部屋のドアを叩いた。
「洋ちゃん、もう起きないと、学校に間に合わないわよ」
「・・・行きたくない」
 呼びかけに、洋一はそれだけを返す。
「洋ちゃん」
 母親がドアを開けて中へ入ると、洋一は頭から布団に潜り込んだ。
「ほら、起きて。ね?」
 布団を揺さぶりながら優しく諭しても、洋一は頑なに布団から出ようとはしない。
「行きたくない。みんなで、僕をいじめるんだ」
「いじめるって・・・どういう風に?」
「黒板一杯に悪口書いたり、僕に向かってモノを投げたり、足を引っかけたり・・・止めてくれって言っても、ちっとも聞いてくれないし」
 まあ、と母親は小さく声を上げた。
「もう嫌だ。学校なんか行かない」
「・・・そういうわけにもいかないでしょう。ちゃんと話せば、みんなわかってくれるわ」
「放っといてくれよ。僕なんかいない方がいいんだ」
「そんな投げ遣りになっちゃ駄目よ。しっかりしなさい、洋ちゃん。あなた先生なんだから」



 いやー、何つーか。
 先生も色々大変ですよ、うん。(441字)




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